でっかいおいしさ

本多行を解明します

本多行という人物について【発売前】

 こちら記事では、私がこの3年間に温めてきた本多行観を綴っていきます。発売前の記事のため、ご注意ください。

 考察・解釈に当たって、Twitterはばたきウォッチャー(@HabatakiWatcher」、GS4公式サイトのサンプルボイス、「ときめきメモリアルGirl's Side DAYS 2019 はばたきウォッチャー増刊号」の台詞を引用します。ネタバレが苦手な方はご注意ください。

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 GS4のキャラクターの人物像をつかむための重要な資料なので、未視聴の方はぜひ購入してください。(あと1か月近くでゲーム発売されますが)

 

もくじ

 

本多行の人物像

 さっそく本題に入りますが、私にとって、本多行は端的に言って

「人間じゃない」

の一言につきます。

 もちろん、文字通りの意味ではなく「俗っぽくない」という意味合いで、もう少し咀嚼すると「愛されて育ち、愛情深いが愛を形にできない人間」だと考えています。

 

本多行の行動理念

 本多行を解明していく上でも重要な、彼の行動理念については以下のツイートで確認ができます。

 

 中でも着目してほしいのは、以下2つの言葉です。

「誰にだって、なんだって教えるよ?知識はもってるだけじゃダメ。誰かに教えてはじめて自分のものになるから。」

「知の始まりは興味。興味は身近なところ、常に目に入るものからもつでしょ?だから、オレの興味の始まりは一番近くにいる家族から」

 

 本多行は化粧をしてみたいと思う妹を見て、毛が抜けていくのを気にする父親を見て、その仕組みを調べて、自分の体で化粧品や育毛剤の効果を確認して、その知識を家族に教えているんです。

 この行為を、妹や父の”ため”といっても過言ではないですし、得た知識を自分で持っているだけでは意味がない。

 だからこそ「知識を知らない人に教えること」が最も重要で、これこそが本多行なりの「愛情表現」なんです。

 そして、家族も本多行の「愛情表現」を好意的に受け止めて褒めたり喜んだりした結果、本多行はどんどんと知識を蓄えて人に教えていくことが好きになり、現在のクイズ王にまで登りつめたのだと思います。

 つまり、本多行にとって、知識を教える行為は、コミュニケーション方法のなかで最重要、かつ一番強い手札なのです。

 

本多行のキャラクターデザイン

 本多行の愛情深さは、キャラクターデザインからも見て取ることができます(余談)。

 本多行は、左耳のみにピアスを開けています。これは、中世ヨーロッパにおいて男性が愛する人を守る」ことを意味します。「愛する人」は恋人の女性であり、男性が女性にピアスをプレゼントし、女性が右耳にピアスをすることで想いに応えるものです。

 本多行はもちろんこの知識を持ち合わせているでしょうし、ピアスを開ける際にも、この意味合いを意識する瞬間があったと思います。

 現時点で本多行に恋人はいないので、「愛する人」が家族なのか、まだ見ぬ将来の恋人なのかはわかりませんが、本多行は、「愛する人を守る存在でありたい」という想いを持っている愛情深い人間です

 

愛を形できない本多行

 本多行が愛情深いことについては前述のとおりですが、彼はそれを上手に形にできません。

 以下2つのシーンでは、本多行が説明している(コミュニケーションを図っている)とき、相手は本多行の話の意味・意図を理解できておらず、困惑又は呆れていることがわかります。

シーン1

 はばたきウォッチャー増刊号における本多行の登場シーンは、モブの会話から始まります。

 「早押しは誤答に対してペナルティが課されるため、問題のどこまで聞けば答えを確定できるかという意識を持つことが大事だ」と言うモブに対し、

 本多行が「うんうん、早押し判定回路って楽しいよね」と会話に割り込みます。

 モブが「早押し判定回路?」と困惑している中、早押し判定回路の説明と回路の発展についてノンストップ・矢継ぎ早に語る本多行。その後もモブは「そうなの…?」と困惑するだけでした。

シーン2

 本多行が「クイズ!!ブレイン・インターハイ」に出場中、回答に併せて周辺情報を説明するのに対し、司会が苦笑しながら「あの~本多くん?」とやんわりと釘をさしたにも関わらず、「ん?なぁに?…それでね」と続きを話そうとする。

 その後も、「次の問題にいきましょう」という言葉に対して、心底驚き「どうして?毛乳頭のことはもういいの?」と腑に落ちない様子でした。

 こちらのシーンは、はばたきウォッチャーのTwitterでも紹介されています。

 GIFアニメの中で、本多行が周辺情報を話し始めると、本多行以外の全員が汗をかいて困惑・苦笑している姿が確認できます。

 このシーンの本多行、あまりにも人間じゃないので大好きです。

サンプルボイス5

 当初、上記2つのシーンを見た私は、「本多行は相手の気持ちを汲み取れずに、行動理念に従って説明している」と思っていたのですが、その1年後、追って公開された本多行サンプルボイス5を聞いて、その解釈がひっくり返されました。

「俺は今の距離感がずっと心地よかったんだ。君は俺の話に興味を持ってくれるし、一緒に話していてすごく楽しい。」(本多行サンプルボイス5)

 ほぼ後半全てですが、着目していただきたい点は、「君俺の話に興味を持ってくれる」「一緒に話していてすごく楽しい」です。

 本多行、他の人が自分の話に興味がないことわかってたんだ!?

 本多行にとって、特筆して楽しい会話相手になるには、本多行の話に興味を持っていることが要件で、(おそらく)主人公に対し「君""興味を持ってくれる」と限定するような言葉で伝えています。

 つまり本多行はシーン1やシーン2のモブが、自分の話に興味がないことを感じ取っていたのです。

 興味ないのを知ってて話し続けてたの!?

 と一瞬考えましたが、「本多行の行動理念」で記述した通り、「知識を教えること」は本多行にとって一番強いコミュニケーションの手札であり、それが通用しない時点で手詰まりなんです。本多行は”知識への興味がない”に対して有効打を持ち合わせていない。

 そして更に、有効打を持ち合わせていないこと以上に根深い問題があります。本多行は、”知識への興味がない人”のことを理解できないのです。

 

本多行と世界の認識のズレ

 本多行は「知識への興味がない」ことを理解できない。このことについては、シーン2、司会の「次の問題にいきましょう」という台詞の後の本多行の表情から読み取ることができます。

 司会からしてみれば、当然クイズ大会の進行があって、時間通りに進めなければならないですし、当然、本多行の教える周辺情報より、大会の進行が意識にあります。おおよそ大半の人は司会の気持ちを汲み取ることができるのではないでしょうか。

 しかし、本多行からしてみれば、クイズは人に知識を教える場であり、皆は当然知識に興味があるからこの場にいるのです。だから、司会や観客に知識を教えなければ意味がない。本多行の回答は周辺情報も含めて完成される。回答の途中に話を切り上げられるのは、とても不可解なことなんです。

 本多行に言わせてみれば、だって、皆は知りたいからこの場にいるんでしょ?どうして止めるの?といった具合でしょうが、世の中の大半の人は、クイズの競技・ゲーム性に興味をもっていて、クイズの回答の周辺知識に興味はないのです。事実、「クイズ!!ブレイン・インターハイ」のシーンにおいて、観客から声があがった瞬間は、クイズに正解した瞬間と、司会と本多行の掛け合いのみです。

 本多行と世間一般の人間とでは、前提が全く異なるにもかかわらず、本多行は周囲も当然自分と同じように知識に興味があるという認識でいるため、嚙み合わないのです。自分が説明した後の反応を見て、興味がないことを感じとれはするのですが、何故興味がないのかは理解ができない。本多行にとっては世界を解明し、それを伝えることこそが最強のコミュニケーション手段だからです。

 では、どうして本多行が15年間生きてきた中で、周囲も当然知識に興味があると考えるようになったのでしょうか。その経緯について考えます。シーン1、シーン2においてモブが「興味を持っていない」と感じられる能力を持っている本多行ですから、こう思う理由はただ単純に、「周囲も知識に興味があったこと」を経験しているからです。

 はばたきウォッチャーの中で、本多行がコミュニケーションに成功しているシーンから紐解いていきましょう。

シーン3

はばたきウォッチャー増刊号、森林公園でのインタビューのシーンです。こちらは、はばたきウォッチャーのTwitterでも紹介されています。「本多行の行動理念」でも引用したツイートです。

 

シーン4

 

 本多行がコミュニケーションを成功している相手は、「子供たち」なのです。

 シーン3の中で子供たちは、本多行に興味を持ち、我先にと様々な質問をしています。2歳~6歳頃の子供は、身の周りにあるものに興味を持ち「なんで?」「どうして?」と質問する時期に入ります。一般的に「なぜなぜ期」や「質問期」と呼ばれているこの期間に、子供の脳は著しく発達します。この「なんで?」「どうして?」に対して、親が適切な受け答えをすることで、子供の知的好奇心・学習意欲・思考力が育まれていきます。

 まさに、本多行じゃないですか!?

本多行と両親

 本多行は、なぜなぜ期の子供の延長線上にいるのです。もともと生まれもった性質もありますが、本多行の知的好奇心の旺盛さには、家族の影響が強いと考えます。両親が適切な受け答えをしたことによって、知的好奇心が大きく育ったのです。

 はばたきウォッチャー増刊号で、シーン3の箇所を再生してみてください。

 本多行は、女の子が話すと、視線を画面左下へ向け、男の子が話すと、視線を画面右下へ向けています。主人公が話す際にも、本多行はわざわざ主人公のもとへ寄って、座って、体の向きと視線を合わせて会話をしています。人が話している時には頷きながら耳を傾け、話終わったら「うんうん」とどんな質問に対しても否定せずに向き合って、主人公をして「学校の先生とか向いてる」と言わしめる対応力を見せています。

 

 本人の性質のみによって知的好奇心が旺盛なのであれば、他と同様に子供とのコミュニケーションも上手くいかないはずです。では、高校生・大人に対し上手にコミュニケーションが図れない本多行が、何故子供たちには「興味を引き付けて楽しく」会話ができるのか。その答えは、本多行にとって、お手本があったからでしょう。

 シーン3の本多行は、両親にしてもらった対応をそのまま子供たちにしているのです。両親が、興味を引き付けて楽しく会話をしてくれたからこそ本多行は知的好奇心旺盛に育ち、なぜなぜ期の延長線上にいます。そして、今なお両親は、知的好奇心旺盛な本多行に対し、肯定的な対応をしているのでしょう。

 ただ、周囲はそうではありません。2歳~6歳の身の回りの物をすべて疑問に思う「なぜなぜ期」を終え、7歳~12歳頃の素朴な疑問を覚える時期も終え、人と人の関わりや、フィクションに感動したり「共感」するコミュニケーションが中心になるのです。

 そして、ここで問題が発生します。両親をお手本にコミュニケーションをしていた本多行は、知識に興味がない人に対しての対応方法がわからないのです。小学生頃まではみんな一緒に何でだろう?と会話をしていたのに、いつのまにかそうやって疑問に思う同級生が減っていく。だから1人で公園・洞窟に行って日々世界を解明し続けているのです。

私が一緒に行くけど!?

 

本多行の課題

 たとえ同級生の大半と噛み合わなくたって、1人で公園行ってダンゴムシ触ったり洞窟行って蟹触ったりして楽しそうに笑ってる本多行に課題なんかあるのか?とは思いますが、サンプルボイス5をもう一度確認しましょう。

「俺は今の距離感がずっと心地よかったんだ。君は俺の話に興味を持ってくれるし、一緒に話していてすごく楽しい。」

 

そしてニンダイで発表されたPV中の台詞も確認しましょう。(0:49~)

youtu.be

「きっとこの4人だからだよ。すごく楽しめたのってさ。」

 

 本多行は、根本で他者と関わることが好きなのです。知識についても、知識を持っているだけではなく、人に伝えることで完結すると言っています。最重要としている行動の指針がそもそも他者ありきで、かつ相手が興味を持ってくれたらすごく楽しいのです。

 1人でいろんな知識を蓄えるだけでは、得られない幸せが、本多行にはあるのです。今、本多行は周囲とのズレに違和感を抱き始めています。ただ、今のままでは、きっと同級生の中でも浮いた存在になってしまう。なかなかいないですよね、公園でダンゴムシ触る高校生。1人で洞窟行って笑ってる高校生。

 コミュニケーションの手段を増やすこと、それが本多行の課題です。

 きっと、本多行の話に興味を持ってくれる同級生の中から、新しいコミュニケーションの方法を学ぶことで、高校生活が変わり始めるのではないでしょうか。

本多行観総括

 以上がはばたきウォッチャー増刊号等を見て、私が温めてきた本多行観です。家族に愛されて育ったからこそ愛情深く、愛されて育ったからこそ同年代と上手く馴染めないという本多行観が1mmくらい伝わりましたでしょうか。

 本多行がこれから、はば学生や主人公と関わって、少しずつ少しずつ変わっていく過程がとっても楽しみです。知的好奇心旺盛で、たくさんたくさんの知識を持っている本多行が、「わからない」感情が出てくるのです。

 皆、本多行が人間になる過程を、一生懸命形にする愛を見てくれ~~~!!

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